Be Sophisticated

日々の気づきをつらつらと

"いいね"について

哲学ばっかりにここ10年一人没頭していたので、時代の流れに大分遅れてしまっていて、SNSのいいね相互承認文化の存在を知識としては知ってはいたのだが、ケッ、なにがいいねだよ、仲間うちのただの褒め合いじゃねーかよ、ケッ、孤独が好きな俺には関係ねーよってこれまで斜めに構えていた。

 

デニムが元々好きで、とある理由で15kgダイエットに成功したので、いい歳こいて色気が出てきてしまい、大学生以来25年ぶりに上京して渋谷のセレクトショップに行ってみた。

 

ジーンズといえばアメリカのLevi'sとしか頭になかった自分にとって、そのショップで履いた日本人の体型向けに作られた日本オリジナルブランドのメイドインジャパンジーンズはフィット感が格別でかつスタイリッシュだった。

 

ミリタリージャケットも男らしさが上品に抑えられているいい感じに大人なものが置いてあり即決購入。

 

その足で恵比寿に行き、ずっと欲しかったカスタムオーダーのレースブーツを注文。

 

久しぶりに東京で服を買った自分は、もうすっかりオシャレ東京人になったつもりで、自己顕示欲を抑えられず、ついにインスタに手を出す。

 

次男に50枚くらい写真を撮ってもらい、とびきりのジーンズ姿の3枚を顔出しでアップ。あとは家族とか風景とか古本の写真で計12枚。

 

音沙汰なしの日々が一週間くらい続き、誰も俺のインスタなんか見る人いねーよなって諦めかけていた。

 

たまたまこちらが一方的にフォローしていたアメリカ人のジーンズショップのオシャレな店員が、アメリカで開かれたジーンズフェスのたくさんのジーンズ好きが集まった集合写真をアップしていて、その写真がとても良かったので英語でコメントを書いていいねを送ったら、普通に軽いお礼のコメントをもらった。

 

ここまではいい。

 

そしたら2日後、まったく知らないアメリカ人が自分の顔出しジーンズ3枚だけにいいねを押していた。

 

これにはびっくりした。

 

いろいろ調べてみるとその人はその集合写真に写っていた別のジーンズショップのオーナーだった。

 

このいいねには舞い上がった。

 

相手はフォローワーが鍵付きにも関わらず1万人を超えるプロなのに対して、自分はフォローワーは妻1人のみ。この友達がいないという惨状に対し、中学生の長男に同情される始末。

 

早速、そのアメリカ人に友達申請したら快く了承してくれて、鍵付きアカウントを開けてくれた。

 

「これがいいねの快感なのかー」

 

って、哲学にハマって10年くらい時代に遅れてしまったオールドルーキーの話でした。